正文 第27章 冷戦とポスト冷戦の東アジアの地域交流(4)(1 / 2)

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唐利國 北京師範大學講師

「真を求める」のは、學術研究の基本的原則である。「真」を求める上で「新を求める」のは、創造力を現すことである。4名の報告者の共通した特徴は、私たちに新しい思考を提示してくださったことである。それぞれ異なる角度から、「冷戦とポスト冷戦の東アジアの地域交流」問題を議論した。內容は教育、経済と國際関係等の分野に及んだ。

小林先生は主に戦後日本の歴史教育に存在した問題を分析した。鄭先生は日中交流を中心に、歴史教育分野における東アジア諸國の交流狀況について話した。一般的に、「日本の歴史教科書問題」を言うと、主に近代日本の侵略行為を否定する右翼的な歴史教科書に注目が集まっているが、小林先生の報告はこの類の「三つの教科書問題」を語った上、「もう一つの教科書問題」に重點を置いて分析した。すなわち家永三郎の『新日本史』の「教科書検定裁判」を取り上げ、家永三郎など進歩的歴史學者の歴史學研究と歴史教育における貢獻を多角評価した。鄭先生の報告は歴史教育問題に関する私たちの研究視野を開き、交流形式の問題を分析して、両國の交流における成果と不足の點をよりよく解明した。

歴史教育は確かに複雑かつ重要な問題であり、特にかつて日本に侵略された東アジア諸國にとって、日本人の歴史認識は極めて敏感な話題である。冷戦時代のイデオロギー対立は、歴史認識問題に関する雙方のより深い交流を製限した。冷戦の終結は、東アジア諸國が歴史認識問題における「求同存異」(共通點を求め、異なる點を互いに尊重すること)を図るための良好な條件を作り出した。二方の発言を拝聴して、正しい歴史教育が東アジア諸國人民の友好関係を作るのに重大な意義があることを、私たちは改めて考えさせられた。

冷戦の緩和から終結への過程は、まさに東アジア國際関係の中心問題が次第にイデオロギーの分野から経済分野への転換の過程である。両陣営が互いに対抗するあり方も、次第に幾つかの主役が競爭しながら協力するという複雑的なあり方へ転換した。李先生は主に日中経済協力が冷戦後における発展狀況を論じた。一方、小澤先生は総合的に、東アジア國際関係の動向を振り返った。二方の分析視點はそれぞれ違っているとはいえ、東アジア各國が國際経済、國際政治等の分野において全麵協力の環境を作ることは、如何に困難でかつ意義重大な事であるかを、改めて私たちに認識させた。

日本と中國はともに東アジア地域の主要大國である。文化教育、政治経済等の分野における両國の衝突と交流の歴史的過程を振り返ることは、東アジアの未來をよりよく展望するために有益である。

19世紀半ば以來、中日両國は相次いで「西方の衝撃」を受け、ほぼ同時期に近代社會へ向かう困難な転換を始めた。両國は極めて類似した歴史的出発點を持ちながら、それぞれ完全に異なる歴史発展の道を歩んだ。日清戦爭における日本の勝ち、中國の負けをきっかけに、日本は近代化の成功者と見なされる一方、中國は失敗者または落第者と見なされるようになった。いわゆる中日交流は近代において、実際上主に日本から中國への一方的な流れであった。戊戌変法は、日本の明治維新をモデルとした政治改革運動であった。